新しい研究によると、野生のシカは毎年数百万トンのメタンを放出しているが、その総量は家畜に比べるとごくわずかである。メタンは強力な温室効果ガスで、近年急速に増加しているが、その発生源を特定するのは難しい。ウシと同様に、シカ、ヘラジカ、ラマなどの野生反芻動物は、繊維質の植物を分解するために細菌に依存しており、その過程でメタンを放出する。ドイツのイェーナにあるマックス・プランク生物地球化学研究所のテレジア・ヤズベック氏らは、世界の野生動物の個体数推定と、体重と食性に基づくメタン排出推定を組み合わせた。彼らの計算は、Journal of Geophysical Research: Biogeosciencesに掲載され、野生反芻動物は年間約300万トンのメタンを放出し、その半分以上がわずか6種のシカに由来することを示唆している。これは、年間6億トン以上の世界のメタン排出量のごく一部であり、家畜の排出量の約38分の1である。